傘生地の耐水度試験(JIS L 1092 A法:低水圧)について
この試験は、生地がどれだけの水圧に耐えられるかを調べることで、水の浸透に対する抵抗性を評価するものです。
JIS L 1092 A法(低水圧)に準拠して行います。
耐水度とは
傘の耐水度は、傘がどれだけの雨量に耐えられるかを示す指標です。
生地に水を噴射してどれだけの水圧に耐えられるかで評価されます。数値が大きいほど耐水性が高くなります。
ただし、縫い目などから水が浸入する可能性もあるため、耐水度が高いからといって完全に濡れないわけではありません。
同じ意味合いとして「防水性」と表現される場合もあります。
試験方法
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試験片の準備: 約150mm×150mmの試験片を5枚採取します。
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試験片の設置: 1枚ずつ、表側が水に当たるようにクランプに取り付けます。
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水圧の印加: 水位を上昇させて試験片に水圧をかけます。
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測定: 3ヶ所から漏水が始まった時の水位をmm単位で測定します。
- 水準装置の上昇速度は、600±30mm/min.とします。
基準値
補足
- 試験環境(温度、湿度など)は、JIS L 1092に規定されている条件に準拠します。
- 耐水度は、生地の密度や厚さ、コーティングの種類などによって異なります。
この試験により、傘生地の耐水性を客観的に評価し、お客様に安心してご使用いただける製品を提供できるよう努めています。
傘生地の防水加工は、主に生地の裏面にコーティングを施すことで水を遮断する技術です。
撥水加工のように水を弾くのではなく、水を通さないようにするのが目的です。
防水加工の種類には、以下のようなものがあります。
アクリルコーティング
最も一般的な防水加工です。
アクリル樹脂を生地の裏面に塗布することで、薄い膜を形成し、水の浸透を防ぎます。
安価で加工しやすいのがメリットです。
ポリウレタンコーティング(PUコーティング)
ポリウレタン樹脂を塗布する防水加工です。
アクリルコーティングに比べて耐摩耗性にも優れており、防水効果が高い。
また、遮光性もあるため、晴雨兼用傘にも多く用いられています。
ラミネート加工
生地にフィルムを貼り合わせる防水加工です。
ポリウレタンコーティングと同様に遮光性がありますが、コストが高くなる傾向があります。
また、ボンドを使用するため、重く硬くなる傾向があります。