傘の中棒の曲げ強さ試験:傘の耐久性を支える中心軸
傘の中棒は、傘の骨組みや生地を支える中心となるパーツです。
この試験では、中棒が使用中の負荷に耐えられる強度を持っているかを調べます。
試験の目的
傘の中棒は、開閉時や強風時など、様々な負荷を受けます。
中棒の強度が不足していると、曲がったり折れたりして傘が使えなくなる可能性があります。
この試験を行うことで、傘が容易に破損しないことを確認し、安全性を確保します。
対象となる傘
この試験は、長傘に適用されます。
折りたたみ傘、スライドショート長傘は、構造が異なるため、この試験は行いません。
試験方法
- 傘を閉じた状態(止めひもを外した状態)で水平にし、下はじきの溝が横向きになるように手元を固定します。
- 基点(例えば、床)から石突の先端までの高さを1mmまで測定します。
- ジャンプ式傘の場合は、安全機構を解除した状態にします。
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石突の先端部に1.5kgのおもりを静かに吊るし、1分間保持します。(※学童用傘の場合は2kgのおもりを使用します。)
- おもりを取り外し、石突の先端部の高さを手順2と同様に測定します。
- 傘の各部に亀裂、破損、使用上支障がある緩み、変形などの有無を目視で確認します。
- 傘生地と親骨を取り外し、手順1と同様に固定します。
- 再度荷重を加え、中棒の長さの5分の1までたわませ、1分間保持します。
- 中棒に破断がないかを目視で確認します。
基準値:
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残留たわみ:荷重を加えた後、中棒に残った変形量(残留たわみ)が、中棒の長さの10分の1以下であること。
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破断:中棒に亀裂、破損、使用上支障がある緩み、変形などがなく、中棒の長さの5分の1までたわませても破断しないこと。
傘の品質や安全性は、中棒の強度だけでなく、傘骨や生地の強度、開閉のしやすさなど、様々な要素によって総合的に評価されます。