傘の品質表示
傘の品質表示は、消費者が傘を選ぶ際に、その品質や特性を正しく理解するために非常に重要な情報源です。日本では、家庭用品品質表示法に基づいて、傘にも適切な品質表示が義務付けられています。
表示内容
傘の品質表示には、以下の項目が含まれている必要があります。
傘生地の組成
- 使用されている繊維の種類と割合を表示します。例えば、「ポリエステル100%」や「綿60%、ポリエステル40%」のように表示されます。
- 複数の素材が使われている場合は、それぞれの素材名と使用箇所を明記する必要があります。ただし、全体の5%以下の場合は表示義務はありません。
- ビニール素材は繊維名ではなく、素材名を表記します。例えば、「ポリエチレン」「ポリ塩化ビニル」など。「POE」や「PVC」などの略称は認められていません。
- ご不明な点がある場合は、検査会社へご相談ください。
親骨の長さ
親骨の長さは、傘のサイズを示す重要な指標で、センチメートル単位で表示されます。
その定義は、「傘を開いた状態で、上ろくろと親骨の接点から露先の先端までの道のり」とされています。
なお、許容誤差は表示値の±5mm以内です。
表示者名
傘を製造した会社名または輸入した会社名を表示します。
家庭用品品質表示法上では、”表示した者の「氏名又は名称」及び「住所又は電話番号」を付記し、責任の所在を明確にする。”となっています。
つまり表示者名の表記は「株式会社●●●● 03-XXXX-XXXX」だけでよいのです。
しかし電話番号もしくは住所の表記では情報が少なすぎると思います。
事業所の移転等で住所や電話番号が変わる可能性もありますから、ホームページアドレスなども表記しておくのが親切と考えます。
取扱い上の注意
製品の特性に応じ、取り扱い上の注意を検討してください。
弊社では、すべての傘に共通する注意点を記載した雛形をベースに表示しています。
自動開閉式傘やジャンプ式折りたたみ傘には、「傘の開閉時およびシャフトの伸縮時には、顔や身体から離して使用する」旨の表示が必須です。
通常の表示では見落とされる可能性があるため、別途警告ラベルを作成し、強調表示することを強く推奨します。
原産国表示
これは、家庭用品品質表示法という法律で定められています。
この法律では、消費者が商品を選ぶ際に必要な情報として、原産国を明記することが義務付けられています。
傘もこの法律の対象となり、原産国を表示する必要があります。
具体的には、以下のいずれかの方法で表示されます。
- 縫い付けラベル: 傘の生地に直接縫い付けられたラベル
- 下げ札: 傘に紐で取り付けられたタグ
- シール: 傘に貼られたシール
表示内容は、例えば「Made in China」や「中国製」のように、国名を明確に示す必要があります。
原産国表示は、消費者が製品の品質や安全性、信頼性などを判断する上で重要な情報となります。
また、スムーズな輸入・通関のためにも、原産国表示は必須です。