染色堅牢度

傘の染色堅牢度について

染色堅牢度とは、繊維製品の染色された部分が、光、水、汗、摩擦などの外的要因によって、どの程度色褪せたり、色移りしたりするかに対する抵抗性を示すものです。

染色堅牢度が高いほど、色褪せや色移りがしにくく、美しい色合いを長く保つことができます。

 

傘の染色堅牢度は、傘の品質を評価する上で重要な要素の一つです。

傘は、日光や雨にさらされることが多いため、染色堅牢度が低いと、すぐに色褪せてしまったり、衣服などに色移りしてしまう可能性があります。

 

ここでは、傘の染色堅牢度について、以下の7つの項目に分けて詳しく解説します。

  1. 耐光堅牢度
  2. 水堅牢度 変退色
  3. 水堅牢度 汚染
  4. 耐摩擦堅牢度 湿潤
  5. 耐摩擦堅牢度 乾燥
  6. 昇華堅牢度 変退色
  7. 昇華堅牢度 汚染

 

1. 耐光堅牢度

  • 定義:繊維製品が光に曝された際に、どの程度色褪せを起こすかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0842に準拠した試験方法で、人工光源を用いて試験片に光を照射し、その色褪せの程度を評価します。具体的には、試験片をブルーウール標準染色物と一緒に露光し、その変退色用グレースケールで評価します。
  • 判定基準:1級から8級までの9段階で評価され、級数が大きいほど耐光堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の耐光堅牢度は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:光の種類や照射時間、温度、湿度などによって、耐光堅牢度は変化します。傘生地の種類や染料の種類によっても、耐光堅牢度は異なります。

 

2. 水堅牢度 変退色

  • 定義:繊維製品が水に濡れた際に、どの程度色褪せを起こすかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0844に準拠した試験方法で、試験片を水に浸漬した後、乾燥させて、その色褪せの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど水堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の水堅牢度(変退色)は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:水温や浸漬時間、pHなどによって、水堅牢度は変化します。

 

3. 水堅牢度 汚染

  • 定義:繊維製品が水に濡れた際に、他の繊維製品にどの程度色移りするかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0844に準拠した試験方法で、試験片を白色の布と一緒に水に浸漬した後、乾燥させて、白色の布への色移りの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど水堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の水堅牢度(汚染)は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:水温や浸漬時間、pHなどによって、水堅牢度は変化します。

 

4. 耐摩擦堅牢度 湿潤

  • 定義:繊維製品が湿った状態で摩擦を受けた際に、他の繊維製品にどの程度色移りするかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0849に準拠した試験方法で、湿らせた試験片を白色の布で摩擦し、白色の布への色移りの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど耐摩擦堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の耐摩擦堅牢度(湿潤)は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:摩擦の強さや回数、温度、湿度などによって、耐摩擦堅牢度は変化します。

 

5. 耐摩擦堅牢度 乾燥

  • 定義:繊維製品が乾いた状態で摩擦を受けた際に、他の繊維製品にどの程度色移りするかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0849に準拠した試験方法で、乾いた試験片を白色の布で摩擦し、白色の布への色移りの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど耐摩擦堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の耐摩擦堅牢度(乾燥)は、4級以上が望ましいとされています。
  • 補足:摩擦の強さや回数などによって、耐摩擦堅牢度は変化します。

 

6. 昇華堅牢度 変退色

  • 定義:繊維製品が高温に曝された際に、どの程度色褪せを起こすかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0848に準拠した試験方法で、試験片を高温に曝した後、その色褪せの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど昇華堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の昇華堅牢度(変退色)は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:温度や時間などによって、昇華堅牢度は変化します。

 

7. 昇華堅牢度 汚染

  • 定義:繊維製品が高温に曝された際に、他の繊維製品にどの程度色移りするかを示す指標です。
  • 試験方法:JIS L 0848に準拠した試験方法で、試験片を他の繊維製品と一緒に高温に曝した後、他の繊維製品への色移りの程度を評価します。
  • 判定基準:1級から5級までの5段階で評価され、級数が大きいほど昇華堅牢度が高いことを示します。
  • 一般的な基準:傘の昇華堅牢度(汚染)は、3級以上が望ましいとされています。
  • 補足:温度や時間などによって、昇華堅牢度は変化します。

 

まとめ

傘の染色堅牢度は、傘の品質を評価する上で重要な要素の一つです。
染色堅牢度試験を行うことで、傘の色褪せや色移りのリスクを低減し、お客様に安心してご使用いただける製品を提供することができます。