傘の遮熱効果率(QTEC法)
傘の遮熱効果率とは、傘が太陽の熱をどれだけ遮ってくれるのかを示す数値です。
この数値が高いほど、傘の下は涼しくなります。
この試験のメリット
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製品試験: 消費者の手に届く製品そのものの性能を評価できます。
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開放系: 試料と測定部の間を完全に開放された空間とし、無用に熱がこもらないようになっています。
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傘と体の距離: 長傘と折りたたみ傘とでは利用時に人体までの距離が異なることがあるため、種類ごとに試料と測定位置の距離を設定しています。これにより、いっそう試験品の特徴を捉えた結果になります。
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人工太陽光: 人工太陽照明灯という擬似的な太陽光を照射できる装置を使っています。
試験方法
- 傘を固定して、その上に太陽の光を模したライトで30分間光を当てます。
- 傘の下に温度計を置いて、2分ごとに温度を測ります。
- 傘がない状態でも同じようにライトを当てて、温度を測ります。
- 実験環境:温度:25℃くらい、湿度:50%くらい。
遮熱効果の計算方法
- 傘がない時と傘がある時で、温度がどれだけ違うかを計算します。
- 遮熱効果(℃) = 傘がない時の温度上昇 - 傘がある時の温度上昇
- 遮熱効果率(%) = 遮熱効果(℃)/ 傘がない時の温度上昇 × 100
<例えば>
傘がない時の温度上昇が37℃で、傘がある時の温度上昇が5℃だったとします。
遮熱効果(℃)= 37℃ - 5℃ = 32℃
遮熱効果率(%)= 32℃ / 37℃ × 100 = 86.5%
となります。
注意点
傘の遮熱性評価は、JIS L 1951に準拠した遮熱性試験とは試験方法が異なります。
この試験は、傘製品になった状態での遮熱効果を率で表すことを目的としています。