
皆様、こんにちは!アンベル株式会社の辻野です。
春の雨や日差し対策に欠かせない傘ですが、持ち方一つで思わぬ危険を招く可能性があることをご存知でしょうか?
先日、東京都が発表した「傘の安全性に関する調査」の結果は、私たち傘メーカーにとっても非常に重要な警鐘となるものでした。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/03/2025032506
調査によると、傘による危害やヒヤリ・ハットを経験した人が44.0%にものぼり、その発生場所として最も多かったのが駅構内、特に階段やエスカレーターといった混雑しやすい場所でした。
具体的な事例としては、
- 「エスカレーターで前の人の傘の先が目に入りそうになった」
- 「階段を上っている時に、自分の傘が後ろの人に当たってしまった」
- 「横持ちしている人の傘の先がみぞおちに刺さった」
など、他人だけでなく、ご自身や周囲の方を危険な目に遭わせてしまうケースが報告されています。
特に注目すべきは、34.0%もの方が傘を横向きまたは斜めにして持った経験があるということです。
その理由の多くが「持ちやすいから」というものでしたが、調査結果は、この横持ちがいかに危険であるかを示唆しています。
なんと、傘を横向きにして持つ人は、持ち手を持つ人と比較して、他者へ危害を与える可能性が3倍以上も高まるというデータが出ているのです。
さらに衝撃的だったのは、安全性に関する試験結果です。
振り子装置で横持ちした傘を歩行時の腕振りのように振り下ろしたところ、その衝撃力は最大240kgf、これはなんとピアノ約1台分に相当します。(注1)
この大きな衝撃力が傘の先端に集中するため、人に当たった場合、失明や骨折といった重篤な怪我につながる可能性が明らかになりました。
実際に、厚さ約1.6ミリメートルのガラスに衝突させた実験では、ガラスが破砕するほどの威力があったのです。
これらの調査結果からも、傘を横向きに持つことは非常に危険な行為であり、絶対に推奨できません。
傘を持ち運ぶ際は、必ず持ち手をしっかりと握り、傘の先端(石突き)が真下(地面や床面)を向くように心がけてください。
東京都も推奨しているように、持ち手の先の方を持つことで、手への負担を減らしつつ、水滴が周囲に広がりにくく、石突きが階段の段差などに引っかかりにくくなるというメリットもあります。
私たちアンベル株式会社は、長年傘の製造に携わる中で、安全性は最も重要な要素の一つと考えています。
今回の調査結果を真摯に受け止め、より安全な傘づくりに努めてまいります。

その一環として、弊社の超軽量長傘KALCTシリーズでは、先端部分にゴム素材を採用しています。
これは、万が一、傘の先端が人に接触してしまった際の衝撃を緩和し、怪我のリスクを軽減するための工夫です。
もちろん、ゴム素材を使用しているからといって、横持ちを推奨するものでは決してありません。
安全な持ち方を守っていただくことが大前提です。
しかし、不意の接触や、万が一の事態を考慮し、少しでも安全性を高めたいという思いから、このような素材を選んでいます。
アンベルの傘は、デザイン性や機能性だけでなく、安全性にも配慮した製品づくりを目指しています。
今後も、皆様が安心して傘をご利用いただけるよう、品質向上に努めてまいります。
傘の安全な持ち方を改めて意識していただき、これからもアンベルの傘をご愛顧いただけますと幸いです。
※注1【補足】衝撃力と質量について
記事中で東京都の調査結果を引用した際、「傘の衝撃力(240kgf)」を「ピアノ1台分(約200kg)」と表現しておりましたが、これは衝撃の大きさをイメージしやすくするための例示です。物理学的に、衝撃力(力)と質量は異なる単位であり、直接比較することはできません。240kgfという衝撃力は、ガラスを破砕するほど大きな力であり、人体に深刻な損傷を与える可能性があることをご理解いただければ幸いです。