近年、日傘の生地は遮光率100%が当たり前になってきました。
生地メーカーの技術向上により、特殊な注文をしなくても「遮光率100%」が再現可能となったためです。
そして、遮光率100%のスペックが出れば、おのずとUVカット率100%も達成します。
となると、次なる競争は遮熱率だと考えます。
遮熱率とは?
遮熱率とは、どれだけ熱を遮る性能があるかを数値化したものです。
基本的には生地のみで検査するものですが、欠点があります。
生地のみの検査方法だと熱がこもってしまうのです。
本来日傘は屋外で使うものなので、開放的な状態で測定されるべきだと考えます。
製品での遮熱検査
弊社では生地のみの検査を行ってきましたが、製品での遮熱検査の実施を追加することにしました。
製品での検査は熱がこもらないので、試験結果として示される遮熱指数は実際の使用感に近い数値と感じています。
最近の弊社調査では、ホワイト系で88%以上、熱を溜めやすいブラック系でも80%前後の熱をカットする結果が出ています。
傘の遮熱性評価試験の方法
傘の遮熱性評価試験(QTEC法)の方法は以下の通りです。
試験の概要
- 目的: 傘が太陽の熱をどれだけ遮るかを示す「遮熱効果率」を測定する。
- 方法: 傘に人工太陽光を当て、傘の有無による温度上昇の違いを測定し、遮熱効果率を算出する。
- 特徴: 製品状態での評価、開放系での測定、傘の種類に応じた測定距離設定、人工太陽光の使用。
試験方法
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準備:
- 傘を固定する。
- 傘の下に温度計を設置する。
- 実験環境を温度25℃、湿度50%に設定する。
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測定:
- 傘がない状態で、ライトを30分間照射し、2分ごとに温度を測定する。
- 傘がある状態で、同様にライトを照射し、温度を測定する。
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計算:
- 以下の計算式で遮熱効果と遮熱効果率を算出する。
- 遮熱効果(℃)= 傘がない時の温度上昇 - 傘がある時の温度上昇
- 遮熱効果率(%)= 遮熱効果(℃)/ 傘がない時の温度上昇 × 100
- 以下の計算式で遮熱効果と遮熱効果率を算出する。
注意点
- この試験はJIS L 1951に準拠した試験方法とは異なる。
- 傘製品の状態での遮熱効果を率で表すことを目的としている。
試験結果の表示について


試験結果の表示には注意が必要です。
このグラフは第三者検査機関による公的なものであり、数値なども事実です。
しかし、この結果を恣意的に表現しているメーカーもありますので、ご注意ください。
例えば、この試験の場合、傘がある状態、傘がない状態での差は32.6度ですが、「約30度涼しい」というような表示をしているメーカーを見かけます。
これは誇張表示だと弊社は考えています。
あくまでも実際の天候ではなく、人工太陽光でかなり暑い環境であること、30分程度の時間経過が必要なことなどがあり、かなり特殊な状況下での試験結果です。
どれだけ熱を遮るかを率で表示するための試験であり、「何度涼しい」といった表現は適切ではないと感じています。
まとめ
日傘を選ぶ際は、UVカット率や遮光率だけでなく、遮熱率も選んでいただきたいと考えます。
ぜひ、ご自身にぴったりの日傘を見つけて、快適な夏をお過ごしください。