傘の染色堅牢度とは?種類・試験方法・重要性を解説

皆様、こんにちは。アンベル株式会社です。

 

今回は、傘のOEM生産において非常に重要な要素である「染色堅牢度」について解説いたします。

傘は、雨や日光、摩擦など様々な外的要因にさらされるため、生地の染色堅牢度は品質を左右する重要な要素です。

 

染色堅牢度とは、簡単に言うと「染めた色がどれくらい落ちにくいか、変色しにくいか」を示す指標です。

堅牢度が低いと、せっかくの美しい傘も、

  • 使用しているうちに色が褪せてしまう
  • 他の衣類や持ち物に色移りしてしまう

といった問題が発生し、お客様からのクレームに繋がる可能性も。

染色堅牢度試験の種類と重要性

JIS(日本工業規格)では、染色堅牢度を評価するための様々な試験方法が定められており、1級(最も低い)から5級(最も高い)までの5段階で評価されます。

傘のOEM生産において特に注意すべき項目は以下の通りです。

  1. 耐光堅牢度
  • 定義:太陽光にさらされた際に、どれくらい退色しにくいかを示す指標。
  • 試験方法:生地を人工光源に一定時間照射し、退色の程度を評価。
  • 傘における重要性:日傘など、長時間日光にさらされる傘では、高い耐光堅牢度が求められます。
  1. 水堅牢度 変退色
  • 定義:水に濡れた際に、生地の色自体がどれくらい変化しにくいかを示す指標。
  • 試験方法:生地を水に浸し、乾燥させた後の色の変化を評価。
  • 傘における重要性:雨傘では、雨に濡れても色が落ちにくいことが重要です。
  1. 水堅牢度 汚染
  • 定義:水に濡れた際に、他の生地に色移りしにくいかを示す指標。
  • 試験方法:生地を水に浸し、白い生地と接触させた際の色の移り具合を評価。
  • 傘における重要性:濡れた傘を衣服やバッグなどに接触させた際に、色移りしないことが重要です。
  1. 耐摩擦堅牢度 湿潤
  • 定義:湿った状態での摩擦に対して、どれくらい色落ちしにくいかを示す指標。
  • 試験方法:湿らせた生地を摩擦し、色落ちの程度を評価。
  • 傘における重要性:濡れた傘を収納したり、持ち歩いたりする際に、摩擦による色落ちを防ぐことが重要です。
  1. 耐摩擦堅牢度 乾燥
  • 定義:乾いた状態での摩擦に対して、どれくらい色落ちしにくいかを示す指標。
  • 試験方法:乾いた生地を摩擦し、色落ちの程度を評価。
  • 傘における重要性:傘同士が擦れたり、衣服と擦れたりした際に、色落ちを防ぐことが重要です。
  1. 昇華堅牢度 変退色
  • 定義:高温にさらされた際に、生地の色自体がどれくらい変化しにくいかを示す指標。
  • 試験方法:生地を加熱し、色の変化を評価。
  • 傘における重要性:車内などの高温になる場所に放置された際に、変色を防ぐことが重要です。
  1. 昇華堅牢度 汚染
  • 定義:高温にさらされた際に、他の生地に色移りしにくいかを示す指標。
  • 試験方法:生地を加熱し、白い生地と接触させた際の色の移り具合を評価。
  • 傘における重要性:高温になる場所に放置された際に、他の物に色移りしないことが重要です。
傘の染色堅牢度

アンベルの取り組み

アンベルでは、高品質な傘を提供するために、生地の染色堅牢度試験を徹底しています。

  • 適切な試験方法を選択し、厳格な基準をクリアした生地のみを使用
  • 生地メーカーとの連携を強化し、常に最新の染色技術を導入
  • 企画・デザイン段階から、色移りや退色リスクを考慮した提案を実施

染色堅牢度は、傘の品質を維持する上で非常に重要な要素です。

ぜひ今回の内容を参考に、品質管理体制の強化、お客様満足度の向上に役立てていただければ幸いです。

 

補足

  • 各試験方法の詳細や評価基準については、JIS規格をご参照ください。
  • 傘生地の種類や用途によって、重要視される染色堅牢度項目は異なります。

 

アンベル株式会社は、今後も高品質な傘作りを通じて、お客様に喜びと満足を提供してまいります。


関連ページ