撥水度4級とは、どの程度のものなのか?

<画像は撥水度5級の生地>
<画像は撥水度5級の生地>

本日はJIS L 1092 スプレー法における撥水度試験について詳しく説明します。

最近は各メーカーがC6撥水剤に移行していることもあり、傘の撥水性が以前より弱まっている傾向にあると感じています。

 

私のところへも、「他メーカーの傘だが、撥水性が悪くなっている」「この撥水性は普通なのか?」「撥水度4級ととは、どの程度のものなのか?」といった問い合わせが時折寄せられるようになりました。

 

近年の私の経験では、C6の一般的な撥水剤では、特別な加工を施さない限り、撥水度5級に達するのは難しく、4級でも良い方で、3級が平均的な数値だと考えます。

JIS L 1092とは?

JIS L 1092は、「繊維製品の防水性試験方法」を規定した日本工業規格です。この規格では、生地の撥水性を評価するための試験方法がいくつか定められており、その中にスプレー法が含まれています。

スプレー法は、傘生地のように水をはじく性質を持つ素材の撥水度を評価する際に用いられる一般的な試験方法です。

スプレー法による撥水度試験

スプレー法では、試験片に一定量の水をスプレーで散布し、その後の状態を観察することで撥水度を評価します。具体的には、以下の手順で行います。

  1. 試験片の準備: 試験する生地から所定の大きさの試験片を採取します。
  2. スプレー散布: 試験片を試験装置に設置し、一定量の水をスプレーで散布します。
  3. 水滴の除去: スプレー散布後、試験片を軽く叩いて余分な水滴を落とします。
  4. 撥水度の判定: 試験片の表面に残った水滴の状態を、JIS L 1092に規定されている撥水度等級の基準と比較して判定します。

撥水度4級とは、どの程度のものなのか?

JIS L 1092では、撥水度を5つの等級(1級~5級)に分類しています。4級は、「湿潤がなく、小さな水滴が付着」している状態です。

以下は、撥水度等級と状態を表にしたもので、数字が大きいほど優良で、4級は悪くない等級です。

撥水度等級 状態
5級  湿潤、水滴がない
4級  湿潤がなく、小さな水滴が付着
3級  小さな水滴状の湿潤
2級  半分程度湿潤
1級  全体的に湿潤

傘生地の場合、撥水度4級であれば、多少の雨であれば傘の表面で水滴が玉になり、生地に染み込むことなく流れ落ちます。そのため、傘としての基本的な機能は十分に果たせるレベルと言えます。

ただし、長時間雨に濡れたり、強い雨に打たれたりすると、撥水性が低下して水が染み込む可能性があります。

 

<補足>

傘生地の場合、撥水度4級であれば、多少の雨ならば傘の表面で水滴が玉になり、生地に染み込むことなく流れ落ちます。そのため、傘としての基本的な機能は十分に果たせるレベルと言えます。ただし、長時間雨に濡れたり、強い雨に打たれたりすると、撥水性が低下して水が染み込む可能性があります。

またC6撥水剤になってからは、撥水の耐久性が低下しており、数回の使用で撥水性が低下してしまうことがあります。