ヒートブロック、遮熱効果率はどれくらい?

完全遮光生地のヒートブロックですが、「遮熱効果率」の検査を実施しましたので、結果を公開したいと思います。

遮熱効果率とは

傘の真上から人工太陽照明灯による照射を行い、真下に設置した熱線受光体の温度を測定します。

そして傘をセットせずに行った空試験の結果から遮熱効果率を算出します。遮熱効果率は傘を用いた事で放射熱を何%遮れたかを表す指標です。(JIS L 1951「生地の遮熱性評価方法」とは異なる試験です。)

遮熱効果率の特徴

  • 消費者の手に届く製品そのものの性能を評価できます
  • 試料と測定部の間を完全に開放された空間とし、無用に熱がこもらないようになっています。
  • 種類毎に試料と測定位置の距離を設定してします。
  • 人工太陽照明灯という擬似的な太陽光を照射できる装置を使っています。(※セリック株式会社 XC-500EFSS)

遮熱率検査との違い

  遮熱効果率 遮熱率
試料 製品で試験 生地で試験
測定部

傘の天井から

16-22cmの空間を取る

生地の直下
温度測定

何度上昇したかを測定

周辺温度を含めて測定

遮熱効果率の検査方法

  1. 傘を下図のように設置する。
  2. 傘の上部に向けて人工太陽照明灯による照射を30分間行い、傘下に設置した熱線受光体の温度を2分ごとに測定する。
  3. またサンプルを用いない空試験を行い、下記の式より遮熱効果率を算出する。
  4. 熱線受光体とサンプルの上ろくろまでの距離は、長傘の場合22cm、折傘の場合16cmに調整して測定を実施する。
  5. 環境条件、温度25±1.0℃、湿度50±4%RH

遮熱効果率の計算式

  • 空試験の最大上昇温度(℃)ーサンプル試験の最大上昇温度(℃)=遮熱効果(℃)
  • 遮熱効果(℃)÷空試験の最大上昇温度(℃)✕100=遮熱効果率(%)

ヒートブロックの試験結果

結果は以下の通りでした。

またわかりやすくするために、アンベル社の雨傘を比較対象として同時に検査しました。

  • 空試験の最大上昇温度 35.7℃
  • サンプル試験の最大上昇温度 4.7℃
  • 遮熱効果 31.00℃
  • 遮熱効果率 86.8%

ヒートブロックの検査結果は、遮熱効果は31.0度、遮熱効果率は86.8%でした。アンベル社の雨傘と比較しても温度差が8.0度あり、ヒートブロックは遮熱効果があるといえます。

今回試験をした製品

ヒートブロック Light Gray
ヒートブロック Light Gray
アンベル社の雨傘 Black(Pentagon72)
アンベル社の雨傘 Black(Pentagon72)

ヒートブロック
ヒートブロック
アンベル社の雨傘(比較用)
アンベル社の雨傘(比較用)

また同商品をサーモグラフィー撮影したところ、写真のように頭部の温度差があることがわかります。

8.0℃の違いは大きく、熱中症を予防するグッズとして、オススメです。

※試験結果はあくまで試験であり、実際の商品使用時では環境条件がことなります。