傘業界全体の売れ行き状況はどうなのか?を調べる指標として、傘の輸入数を定期的に調査しています。
最近では新型コロナウイルスの影響で、2020年の傘輸入数がどうなったのか、気になるところです。
影響があったのか、なかったのか、2020年5月までの輸入数を整理します。
2019年と2020年の洋傘月別輸入数と金額の比較
結果は以下の通りです。
※「財務省貿易統計統計」(https://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm)のデータを抽出・加工して作成
数字のソースは財務省貿易統計からで、2020年5月までの数字です。
調べたのは長傘・折傘で、その他とされるビーチパラソルは含めていません。
また長傘・折傘で極端な差がなかったので、長傘と折傘を合計したものを表示しています。
(単位:数量1000本、金額1000円)
グラフにすると以下の通り。
上記の数字から推測できることをコメント
- 2月・・・輸入数減は、中国の春節休みと新型コロナウイルスの影響で工場が休みであったことが影響した。
- 3月と4月・・・2月に輸入出来なかった もしくは生産が遅延していたものが入荷した。
- 5月・・・緊急事態宣言後、店舗休業で販売が滞ったことによる在庫調整で輸入を止めた。
ざっとこんな感じではないかと思います。
数量ベースで前年比87%、金額ベースでは前年比82%ですから、おおむね15%位のダウン。
また比較対象としている2019年は、傘の販売が好調な年ではなかったので、業界全体としては「あまり良くない」というのが現状だと思われます。
Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO
1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。
一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。