2019年の傘の国別輸入統計を調べてみました。
以前の輸入統計の情報については公開しましたが、どの国から何本で、いくらというのを追加で調べてみました。
(参照:ブログ 2019年度 洋傘の輸入数まとめ)
中国とカンボジアで99%以上
表のように24カ国から傘を輸入しているものの、数量ベースでは中国80.52%、カンボジアが19.10%というシェア率で合計99.62%ですから、この二カ国でほぼ独占という状況です。
私は中国製が90%以上だろうと推測していましたが、カンボジアからの輸入が増えています。また中国からの平均輸入単価は324円、カンボジアからの平均輸入単価は199円ですので、カンボジアでは相当安価な製品が作られていると推測できます。
※長傘と折傘のみ
カンボジア
- 2013年からカンボジアからの輸入が開始されている
- 折りたたみ傘は2014年から輸入が開始されていて、同年から量産体制が本格化。
- 2019年は1934万本を輸入している。
中国
- 2016年頃から輸入数減少傾向にある。
- そもそもの傘の需要数増減もあるが、2019年は明らかにカンボジアへのシフトが原因と思われる数量減となっている。
カンボジアの生産は、台湾資本の傘工場が数社進出している状況。ただし傘骨は中国から輸入しており、カンボジア単独での一貫生産には至っておりません。今の輸出傾向を見ると、カンボジアがどんどん増えそうですが、進出する工場が増えない限り、生産数に上限があると思われます。
※「財務省貿易統計統計」(https://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm)のデータを抽出・加工して作成
Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO
1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。
一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。