断片的ではありますが、新型コロナウイルスに関連する現在把握している中国の生産状況をお知らせします。
まず結論から書きますと、福建省の傘縫製工場は徐々に再稼働しております。工場によっては本日の発注で、「5月末工場出荷が可能」という回答をもらっている状況です。
縫製工場の状況
工場によって異なりますが50%〜80%稼働しており、傘骨や傘生地のパーツがそろっていれば、生産している状況です。
工員さんが多い工場、もしくは面積に対して工員さんが過密な工場は、早番・遅番のような交代制になっていて、過密にならないような対策がされているそうです。
見積りに関しては通常より時間がかかっている状況です。
パーツ工場の状況
パーツ関係は深セン(広東省)地区が多く、今週から徐々に再開している様子です。ただ再開するにあたり、保健所のようなところの検疫に合格しないと営業許可がされないようで、現状許可を待っているような状態です。
特に傘骨はさまざまなパーツの組み合わせによって作られるので、一部のパーツがそろわないだけで完成しません。状況を聞く限りでは、やや遅れ気味になりそうです。また傘骨のめっき工程は特に稼働率が低い状況のようです。
福建省にある傘骨メーカーでも何がしかのパーツを深センから仕入れているので、組み立てが進みにくいと推測されます。
また日本製傘の製造は新型コロナウイルスに影響されないと思われている方も多いですが、日本製であっても傘骨のほとんどは中国製です。今後3−6ヶ月は傘骨在庫が業界全体で品薄傾向になると思われます。
補足
縫製工場は福建省にあり、地元もしくは省内の工員さんが多い状況です。また中国沿岸部において新型コロナウイルス感染者数が少ない省でもあります。
(参照:新型コロナ感染 中国マップ https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-china-map/)
パーツ工場が多い広東省は外省人が多く、移動が制限されているなどの状況下にありますので、勤務先に戻れない人が多いようです。
船便・税関など
順調に稼働しており、アンベル社では2月中旬から輸入は再開しております。
日本から資材を出荷する場合、EMSは混雑しているようですので、他のクーリエの利用をおすすめします。
傘の製造で困っている方は、ぜひお問い合わせを
アンベル社では、長年の業界人脈によりさまざまな協力工場と提携をしています。また情報収集も積極的に行っており、最新の情報を把握しているつもりです。
当然出来ないこともありますが、案件の内容を分析し、最適な傘製造の解決策をご提案します。納期などで困ったということがありましたら、お気軽にお問い合わせをしてください。
Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO
1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。
一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。