先日のブログで書いたように、雨の勢いが強い日に傘を使った場合、雨漏りする可能性があります。
雨漏りには二種類あり、「漏水」と「伝水」があります。意外とその違いをご存知ない方が多いので、それぞれの違いについて解説していきます。
漏水とは
傘の縫い目(専門用語では中縫い)から雨が漏る現象です。
原因は針の太さ、縫い糸の素材、縫いのピッチ(ミシン縫い時の針間隔)、生地そのもの、縫製のほつれなど様々な要因が絡む場合があり、見た目では原因がわからない場合もあります。参考までに、縫いのピッチは一般的な生地で3cm当たり12針以上が必要とされています。
針 | 太すぎると生地穴が大きくなる。細すぎると針が折れやすくなる。 |
縫い糸 | 撥水糸を使っていない。糸が太すぎる。 |
縫いピッチ |
3cm当たり12針以下。 ※生地の厚みにより運針数を調整する場合もある |
生地 | 繊維が硬いと縫製時に針穴が広がりやすくなる。 |
伝水とは
原因は菊座もしくは陣笠に隙間がある場合、天かがりの縫製が悪い場合などに発生します。これも見た目だけでは原因がわからない場合があります。最近では伝水を防止するため、菊座と陣笠の間にパッキンを入れることが多くなっています。
漏水・伝水の検査方法と品質基準
人口的に雨を降らせる機械(シャワーような装置で雨量をゆるくしたもの)の下に、傘を開いて設置し雨漏りの有無を調べます。1時間に20mm程度の雨量に設定し、20分間降雨させます。その後、雨漏りの有無を調べます。伝水していないことが前提条件で、縫い目からの雨漏りが20滴以下であれば、品質基準は満たしていることになります。