2019年11月14日、クラウドファンディング MAKUAKE にて、世界最軽量級の自動開閉折りたたみ傘【ベリカル】を発表させていただきました。自動開閉折りたたみ傘が好きな方はぜひ、ご支援をお願いしたいと思います。
■商品開発の背景
今回の新製品は「軽さ」と「便利さ」を徹底追及しました。「軽さ」に特化したペンタゴンシリーズはおかげさまで大好評。今も売れ続けていて、アンベルの顔ともいえる商品に育ちました。やはり傘に必要なファクターとして「軽さ」はマストであると最近は痛感しております。
そこで、ペンタゴン以外で何か軽い傘を開発出来ないかと、1年位前からふつふつと考えていて、その答えが「使い勝手のよい自動開閉折りたたみ傘を軽くすること」でした。そして軽くする為にサイズを小さくするのではなく「親骨の数は6本」「親骨サイズは平均的な折りたたみ傘の55cmに合わせる」という超ハードな設定をあえて自分に課しました。
■自動開閉折りたたみ傘は構造が複雑で軽量化が難しい
実際開発をスタートしてみると、色々な難題にぶつかります。
難題のひとつは「ボタンを押すと傘が開く仕組み」には、シャフト内に仕込まれているスプリングが動力源となっています。
スプリングは材質を変えるというワケにもいかず、傘骨構造そのものを見直しました。
世間一般で売られている自動開閉折りたたみ傘を色々と見ていると、共通して言えることは、シャフトが太いということでした。
もちろん、品質や耐久性も大切ですから「シャフトが太い=丈夫・安全」といったイメージでモノ作りされているメーカーさんがほとんどだと思います。あえて私は太いシャフトではなく、一定レベルの品質を維持しながら実現できるギリギリの細さに設計しました。
細くするのは誰にでもできることかもしれませんが、その細いシャフトにマッチするスプリングと、その傘を開くバネ力も考慮する必要があります。しかし私は緻密な構造計算のようなことが出来ませんので、サプライヤーさんに協力をお願いしながら、開発を終えることが出来ました。
■カーボンファイバー素材を躊躇なく使う
軽量化に貢献しているのはシャフトだけではありません。親骨の一部分にはカーボンファイバーを使っています。カーボンファイバーは傘骨に使われる素材の中でも、もっとも高価な部類に入り、コスト高になってしまいます。
しかし最近はビニール傘を使い捨てで購入するのではなく、いいものを長く使いたいといったユーザーが増えていて、多少高くても、丈夫で長持ちする傘がほしいといったご意見も多く、ペンタゴンも同様にカーボンファイバーを使っていることから、多少高価でもカーボンファイバーを使って、軽くすることを選択しました。
■なるべくコンパクトに
そして、自動開閉折りたたみ傘の重くなってしまう原因は、ハンドルにもあります。ハンドルにはボタンが仕込まれていて、ボタンの内部にもスプリングなどのパーツが入っており、意外と複雑な構造になっています。
ハンドルそのものの肉厚を下げ、またハンドル内部構造もシンプルにすることで、よりコンパクトで軽量なハンドルになっています。
■そして傘開発の全てはバランスにあり
【ベリカル】は傘生地や傘骨の絶妙なバランスによって構成されています。シャフトを細くしたことでスプリングも細くなり、結果バネ力は落ちるのですが、親骨の一部には軽くて丈夫なカーボンファイバーを使うことで、バネ力が弱まっても傘が開く構造になっています。
これが、コストを節約するために親骨をスチールやグラスファイバーを使うとどうしても重くなってしまうので、思うように傘が開かないのです。そして生地も同様で、15デニールという番手の細い糸で織り上げた軽量生地に開発した骨がジャストフィット。これが仮に重い生地だったら、正常に動作しなかったと思います。
■自動開閉折りたたみ傘そのもののメリット
自動開閉折りたたみ傘の最大のメリットは、商品名の通り自動で開閉することです。世の中の折りたたみ傘のほとんどは、手動で操作するのが一般的かと思います。手動は構造がシンプルなので、それはそれでいいとは思いますが、一度自動開閉式に慣れてしまうと、手動の折りたたみ傘はモタついて使いにくいと感じます。
片手でボタンを押せばサッと開き、閉じるときもボタンひとつで閉じるので、その操作性やスピード感は忙しい人に最適なものだと考えます。特にクルマに乗り降りするとき、荷物が多いとき、外出が多い方にはとても便利に使っていただけると思います。
■デメリットもある
私は開発者なので、いいことばかり書いてしまいますが、デメリットもあります。
ひとつは操作です。操作になれていないと、壊してしまう可能性があります。
どのような操作が壊れるかというと、傘を閉じるときにボタンを使わず手で閉じてしまうことです。
この操作をすると、ボタン内部が空回りし、スイッチ機構が正常に動作しなくなる可能性があります。
もうひとつは、シャフトの収納です。これも傘を閉じるときの動作になりますが、自動開閉式とはいうものの、全自動ではありません。傘生地や親骨はボタンを押せば自動で閉じることが出来ますが、シャフトは自動で収納になりません。
シャフトの両端を持ってグッと押し込む動作が必要となり、その収納時に手を離してしまうとハンドル部分が勢いよく飛び出します。(しかし【ベリカル】はバネ力をギリギリの弱さに設定していますので、押し込む力も、飛び出す勢いも他の自動開閉折りたたみ傘と比較すれば、誰でも取り扱いやすい設定になっています。)
その飛び出したハンドル部分が目や顔に当たると怪我をする恐れがあります。
これは【ベリカル】だけでなく、ほとんどの自動開閉折りたたみ傘に当てはまりますが、収納時は横向きで操作すれば問題ありません。縦向きに操作すると目や顔に当たる可能性がありますので、シャフト収納時は絶対に縦向きに操作しないようにしてください。
製品の操作についてはこちらを御覧ください。
最後に
自動開閉折りたたみ傘を使ったことがない方は、当社製品の【ベリカル】でなくてもいいので、これをキッカケにぜひ一度、そのスピード感や簡便性を体験してみてください。
そして、自動開閉折りたたみ傘を既に持っているよ、使ったことがあるよという方は、ぜひ【ベリカル】を一度お試しください。「本当にこれが自動開閉式か?」と思うくらい超軽量に進化していますので!
AMVEL INC. CEO 辻野 義宏