傘骨のめっき、品質基準は?

傘骨において、グラスファイバーやカーボンファイバーなど樹脂系素材が増えていますが、めっきを用いた傘骨もまだまだあります。

ただめっきに関しては、錆の発生や黒変など、めっきの品質が悪い事例が増えている傾向です。

その背景には中国の法律や環境問題が関連しています。

従来のめっき工場は排水設備に問題があるとの事で、中国政府検査で設備に不備があると判断された工場は、閉鎖・廃業に追い込まれるケースがあり、めっきが出来る工場が減っています。

その為、めっき工場が混雑し、製造が雑になっている傾向のようです。

 

めっきに関しては検査必須項目では無いため、今まであまり問題視されておりませんでしたが、今一度きっちりと基準を見直し、めっき工場には再度品質徹底するタイミングに来ている状況です。

 

品質基準は以下のようになっています。

表面処理種類 基準/項目 詳細
めっき層 亜鉛めっき 品質基準 めっき層の厚さが3μm以上であり、クローメート処理されていること。
試験方法 亜鉛めっきのめっき層の厚さの測定は、JIS H 8610の7.2(厚さ試験)による。
亜鉛めっき以外 品質基準 めっき層の厚さが3μm以上であること。
試験方法 亜鉛めっき以外のもののめっき層の厚さの測定は、JIS H 8617の7.2(厚さ試験)による。
耐食性 亜鉛めっき 品質基準 黒色にならないこと。
試験方法 常温の5%塩化ナトリウム水溶液中に酢酸を0.1〜0.3%の範囲内で添加し、さらに、この水溶液1L当たり塩化銅(Ⅱ)二水和物0.26 gを混合した試験液に1分間浸せきした後、取り出し、加工部分及び中棒の内側を除く他の部分が黒色にならないかどうかを目視によって調べる。
亜鉛めっき以外 品質基準 さびの発生がないこと。
試験方法 常温の5%塩化ナトリウム水溶液中に18時間浸せきした後、取り出し、水洗いしてから30分間自然乾燥し、加工部分及び中棒の内側を除く他の部分にさびの発生の有無を目視によって調べる。
塗装のもの 品質基準 さびの発生がないこと。
試験方法 常温の5%塩化ナトリウム水溶液中に18時間浸せきした後、取り出し、水洗いしてから30分間自然乾燥し、加工部分及び中棒の内側を除く他の部分にさびの発生の有無を目視によって調べる。
膜の強 さ めっきもの 品質基準 はく離がないこと。
試験方法 めっきによる表面処理の膜の強さの試験は、親骨、受骨及び中棒を90°の角度に折り曲げたとき、めっきがはく離しないことを目視によって調べる。
塗装のもの 品質基準 セロハン粘着テープの密着面及び塗膜面に異常が目立たないこと。
試験方法 塗装による表面処理の膜の強さの試験は、塗膜面にJIS Z 1522に規定するセロハン粘着テープを1cm2以上密着させた後、セロハン粘着テープを 軸の方向に対し約90°の角度で急速にはがしたとき、セロハン粘着テープの密着面及び塗膜面の異常の有無を目視によって調べる。